約4人に1人の日本人を悩ませている腰痛ですが、同時に腹痛も発症している場合、大きな病気が隠れている可能性があります。多くの腰痛は自然治癒で治る可能性が高いですが、このような場合は早めに医療機関を受診しましょう。
今回は、腰痛と腹痛が同時に起こる原因について解説します。原因を知ることで適切に対処できますので、ぜひご覧ください。
腰痛と腹痛が同時に起こる原因
腰痛と腹痛が同時に起こる原因には、以下の2つが挙げられます。
- 筋肉の衰え
- 内臓や脊椎の病気
筋肉の衰え
腰痛は筋肉の衰えによって、腰椎に過剰な負担がかかってしまうことで起こります。また腰に負担がかかることから、腹の筋肉も緊張状態になる場合があります。つまり、腰痛と腹痛が同時に起こる原因のひとつは、腰痛に伴う腹の筋肉痛なのです。
腰や腹に強い負荷がかかることで、筋肉痛が起こってしまいます。長時間の悪い姿勢や歩き方の癖、無理な動作などでも筋肉痛を引き起こしますので、注意しましょう。
内臓や脊椎の病気
腰痛には原因が特定できる特異性腰痛と、原因の特定が難しい非特異性腰痛の2種類があります。内臓や脊椎の病気が主な原因である腰痛は特異性腰痛に分類され、腰痛全体の約15%が特異性腰痛です。
特異性腰痛の場合、腰痛を改善しても病気自体を治さないと発症を繰り返してしまいます。そのため、腰痛の原因を特定して、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。
筋肉が原因の腰痛と腹痛と改善する方法
筋肉の衰えが原因で同時に起こる腰痛と腹痛は、以下の方法で改善できます。
- 筋力アップ
- 筋肉のケア
- 質の良い睡眠
筋力アップ
筋力の低下を防ぐために、日頃から運動や筋トレによって筋肉を動かすことが大切です。筋力をアップすると、長時間同じ姿勢や日常生活の悪い癖、普段と違った動作などで腰を痛めるリスクを軽減してくれます。
腰痛と腹痛に関係のある筋肉は、以下の3つだと言われています。
■大腰筋
大腿骨と背骨をつなぐ筋肉です。真っ直ぐな姿勢を保つときや、太ももを持ち上げるときに働きます。
■腹直筋
肋骨から恥骨までにある腹周辺の筋肉です。背中を丸く丸めたり、正しい姿勢を維持したりする働きがあります。
■脊柱起立筋
背骨から腰椎まで、脊椎に沿ってついている筋肉です。上半身を起立するときや、背筋を伸ばすときに働きます。
これらの筋肉を特に重点的に鍛え、硬くならないように頻繁に動かすことで腰痛と腹痛が同時に起こるのを防いでくれます。
筋肉のケア
鍛えた後の筋肉には、入念なケアが重要です。運動や筋トレの後にストレッチを行うことで、腰痛と腹痛の緩和だけでなく、筋肉痛の予防にもつながります。鍛えた部分を重点的にほぐすと、血行が良くなり代謝も改善されます。
筋肉のケアには、ストレッチだけでなく食べ物や飲み物も大きく関係します。運動や筋トレ後はアミノ酸配合のドリンクやプロテインも良いですが、鶏肉や卵、牛乳などのたんぱく質が多く含まれる食品を意識して摂取しましょう。
質の良い睡眠
睡眠不足になると、痛みを感じやすくなるとされています。たとえば、普段7時間睡眠をしている人が6時間30分の睡眠時間になるだけで、普段より120%以上不快感を覚えやすくなると言われています。そのため、普段は気にしないような腰痛や腹痛に痛みを感じてしまうのです。
そのため筋肉に負担がかけた場合は、できるだけ質の良い睡眠をとるように心がけましょう。ただし、質の良い睡眠は、時間が長ければ良いものではありません。途中で目が覚めることなく、すっきりと目覚められるような心地良い睡眠が重要です。
病気が原因の腰痛の特徴
筋肉疲労が原因の腰痛・腹痛は、上記の3つの方法を続ければ、ほとんどの場合自然に治ります。しかし気をつけたいのは、病気が原因で同時に起こる腰痛と腹痛です。
病気が原因の場合、なるべく早く原因を究明する必要があります。腰痛に以下の3つのサインが見られたら、病気の可能性が高いです。
- じっとしていても痛む
- 痛みがどんどん増していく
- 痛み以外の症状がある
じっとしていても痛む
何をしていなくても痛みを感じる場合は、内臓や脊椎の病気が原因である可能性が高いです。姿勢や行動に関係なく痛みが出る場合は重大な病気が隠れている可能性もあるため、できるだけ早く医療機関で診てもらいましょう。
痛みがどんどん増していく
最初はあまり痛みを感じなかったのに、だんだん痛みが増している場合も、内臓や脊椎の病気が考えられます。放置してしまうと何もしなくても痛みを感じるようになる可能性が高いため、この場合も医療機関での診察が必要です。
痛み以外の症状がある
腰痛や腹痛以外に以下のような症状がある場合も、内臓や脊椎の病気が原因の可能性が高いです。
- 吐き気
- 嘔吐
- 発熱
- 体重減少
- 排尿障害不正出血
これらの症状が見られる場合も、医療機関を受診することをおすすめします。
腰痛と腹痛を同時に引き起こす病気
腰痛と腹痛を同時に引き起こす病気には、以下のものが挙げられます。これら以外にもさまざまな病気が隠れている可能性があるため、上記で述べた3つのサインがあれば直ちに医療機関で診察を受けましょう。
|
主な病気 |
併発される主な症状 |
診療科 |
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消化器系疾患 |
・胃潰瘍 |
・胸やけ、吐き気 |
・消化器内科、胃腸科 |
循環器系疾患 |
・心筋梗塞 |
・胸部の締め付け感 |
・循環器内科 |
泌尿器系疾患 |
・尿路結石 |
・血尿 |
・泌尿器科 |
脊椎疾患 |
・椎間板ヘルニア |
・下半身のしびれ |
・整形外科 |
婦人科系疾患 |
・子宮内膜症 |
・不正出血 |
・婦人科 |
どの病気も急激な腰痛・腹痛を引き起こすだけでなく、放置すると危険なものばかりです。病気を治療することで症状の悪化を防げますので、早めに対処しましょう。
まとめ
腰痛と腹痛が同時に起こる場合、筋肉の衰えか内臓や脊椎の病気が考えられます。筋肉の衰えが原因の場合は、筋力を高めることで自然と改善されます。しかし、内臓や脊椎の病気が原因の場合は、病気自体を治さなければ腰痛・腹痛も改善されません。
病気が原因の腰痛・腹痛の特徴である3つのサインを感じたら、直ちに医療機関を受診しましょう。原因が定かではない場合は、東京都板橋区にある腰痛改善専門の整体院「1room整体院」にご相談ください。腰痛の原因を特定して、適切な施術やアドバイスを行います。